WOWOWオリジナルドラマ「向こうの果て」の1~4話あらすじをご紹介します。
幼馴染を殺した女の秘密と、彼女を取り巻く男たち。
事件の裏では何か起きていたのか。
女に魅せられた検事が暴く、女の過去とは。
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向こうの果て あらすじ 1~4話
ざっくりとメインのあらすじを書いていきます。
第1話 夜叉のような女
同棲していた男を刺し、部屋に火をつけたとして池松律子が逮捕される。
被害者は君塚公平。律子の幼馴染だ。
事件を担当することになった検事の津田口は、のらりくらりとした態度の律子に殺人の動機を尋ねる。
律子は保険金が目当てで殺した、というだけで何も話そうとしない。
律子の父は「池松喜平一座」という津軽民謡の一座の歌手であった。
そして、君塚公平の父は三味線の番頭をしていて、若いころ2人の仲は良かったらしい。
その話に笑う律子。
あの一座にあったのは「貧困・妬み・嫉妬」だけだと言う。
君塚公平は末期のすい臓がんだった。
律子はホステスをしており、公平に暴力をふるっていた。
律子の両親も火事で亡くなっている。
第2話 娼婦のような女
津田口は律子の過去を調べることにする。
律子の両親が火事で亡くなり、12歳の律子を引き取ったのは、東京に住む叔父の行島道夫だった。
津田口は行島に会い、律子について尋ねる。
行島は律子のことを「娼婦のような女」だと言うのだった。
青森から捜査資料を届けにやってきた刑事・村上姫昌は律子と公平の幼馴染だった。
そして律子の両親が火事に遭ったときの、通報者でもあった。
律子は、結婚するという叔父を誘惑する。
叔父が結婚して子供ができると、自分の居場所がなくなると考えた律子。
男と女の「儀式」が、律子にとっては生きていく唯一の方法だったのだ。
一方で律子は、叔父の独立に使ってくれと両親の遺したお金を渡していた。
第3話 嘘つきな女
律子と公平、村上姫昌は幼少の頃、いつも3人でいた。
村上の父は一座の手踊りをしており、公平の父と共に律子の父・喜平の下僕だった。
喜平は人気の歌手で一座の稼ぎ頭だった。傍若無人で暴力的、いつも公平の父や村上の父を虐げていた。
村上は20過ぎの頃、東京で風俗に務めていた律子と再会し、同棲するようになる。
しかし村上は、律子が公平のことを忘れていないことに嫉妬する。
本気で律子のことが好きだった村上は結婚しようと考え、律子もそれに同意する。
それが本心ではないことを見抜いていた村上。
村上は律子のことを「嘘つきな女」だと言った。
津田口は村上に会いこれらのことを聞き出す。
あの時の本当の気持ちは、「すべてをひっくるめてやり直そうと考えていた」という律子だった。
公平が小説で賞を取り、サイン会を開催したあの日。
村上は、律子が公平に会うためにサイン会場にいることに嫉妬し、2人の関係は終わりを迎える。
しかし律子は公平を遠くから見ただけに過ぎなかった。
第4話 贅沢な女
律子に弁護士を付けた、最初の夫・京波は大企業の社長だ。
事件の第一発見者でもある京波は、検察庁を訪れ証言をすることに。
律子が18の時、2人は京波の親の反対を押し切り結婚。
しかし会社経営が傾き、3年後に律子と離婚、債権者の娘と結婚したのだった。
京波は律子に未練があり、「私を傷つけないように彼女は家を出た。彼女は人のためにばかり生きている」と信じている。
そして、津田口に対し「律子に憑りつかれ始めている」と忠告するのだった。
京波は離婚後も律子のことをずっと調べており、生前の君塚公平にも会っていた。
公平は「律子とは男と女の関係ではない」とはっきり否定する。
京波は律子のことを「贅沢な女」だと言った。優しい女、だとも。
津田口は律子という女が分からなくなってくる。
どうして君塚公平を殺したのかと改めて問う津田口に、
律子は「お父さんとお母さんを殺したのもあたしなの」と告白する。
律子は父親に暴力を振るわれていた。
公平の父が土下座してやめるように頼むほどひどいものだった。
向こうの果て 感想 1~4話
1話ごとにクローズアップされる人物が変わり、律子という主人公を様々な角度から見ていくことになります。
検事の津田口も律子に魅入られ、律子のことを知れば知るほど感情移入していく人物。
これには訳があり、自分の姉の苦労が律子の過去にリンクしていくからなんですね。
律子はとても美しく危険な女でありながら、脆さや儚さも持ち合わせています。
男はそういうところにコロッといくんでしょうね。
律子役の松本まりかさんの、荒んだ容貌とけだるげな雰囲気がとても似合っています。
私なりに解釈してみました。
夜叉のような女:恋人を殺した殺人犯の顔。
娼婦のような女:これはもうそのままです。叔父を誘惑したからだと思います。
嘘つきな女:公平をまだ思い続けている律子が、村上と結婚しようとしたこと。
もっとも、村上にしてみれば律子の言動全てが疑わしかったに違いありません。
贅沢な女:解釈に悩みました。
①金持ちの自分を捨てるなんて、贅沢な女だ
②金持ちの私ではなく貧乏な男(公平)に行くとは、贅沢な女だ
多分これらの感情が混じっているのではないかと思いました。
向こうの果ての面白さは、
律子がどういう人物か、どういう過去を持っているかを知るドキドキ感。
男を通して、律子という人物を浮き上がらせるという手法。
薄暗い一座の過去。律子の親世代の因縁。
など盛りだくさんです。
現在と過去を行き来しながら、少しづつ見えてくる一座時代の複雑な事情や、
津軽三味線の旋律が、画面の古臭さと合って(昭和時代の話)なんともいい味を出しています。
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